あの人が愛するクラシック
クラシックを愛聴されている皆様の
お気に入りの作品や楽曲をご紹介!
(50音順・敬称略)
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女優、歌手
上白石萌音
プロコフィエフ: 交響的物語《ピーターと狼》
少年ピーターと動物たちが織りなすある日の牧場での物語を、語りとともに紡いだ作品です。
登場する人や動物それぞれに楽器が割り当てられていて、音がまるでお喋りをしているように聴こえます。
中学生の時バレエの発表会で踊ったこともあるので、思い出深く今でも大好きです。
子供から大人まで親しみやすく楽しい名曲たち。
錚々たる俳優さんやアーティストさんたちが語りをされているので、色んなバージョンを聴き比べるのも面白いです。 -
Piano, Composer, Arranger
清塚信也
ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》カルロス・クライバー
「ジャジャジャジャーン!」というこの曲の出だしは、人類史上最もキャッチーなモチーフではないだろうか。
でも、よく考えると殆ど同じ音を4つ並べただけである。
人の心が動く音とは、何とも不思議で謎めいたものだ。5番は曲全体がこのモチーフを使って作られている。
聴くと恥ずかしいほど有名になってしまった冒頭だが、最後まで聴くと、この曲の執念深さと深刻さに心を打たれる。今一度、価値を確認して欲しい曲だ。 -
音楽家
坂本龍一
『ドビュッシ-:交響詩《海》、夜想曲、バレエ音楽《遊戯》 他 ピエール・ブーレーズ指揮』
やはり一枚とりあげるとしたら、ブーレーズ指揮のドビュッシーの「海」の入った盤だろうか。
ブラームスの交響曲1番も、ぼくは最初にバーンスタイン指揮で聴いたので、とても懐かしいのだが。
ブーレーズは66年にニュー・フィルハーモニアと一度「海」を録音しているが、この91年録音のものは、クリーブランド・オーケストラとのもの。35年の時を経ているにも関わらず、驚くほど3楽章ともテンポはほぼ同じ。「天才」は安易に老成しないということか。しかし音楽性は、この91年の録音の方がはるかに精妙になっていると感じる。熟成というべきか。逆に66年のものは、今聴くと情熱的だ。どちらが好きか、個人の趣味によるな。ぼくはどちらも捨てがたい。 -
音楽家
SUGIZO
『ホルスト:組曲《惑星》/エルガー:行進曲《威風堂々》サー・ゲオルグ・ショルティ指揮
クラシックのビギナーの方々へのリコメンドということで、僕は『ホルスト:組曲《惑星》/エルガー:行進曲《威風堂々》サー・ゲオルグ・ショルティ指揮』 を選びたいと思います。
宇宙大好き少年だった僕が衝撃を受けて大ハマりした組曲で、オーケストラ・ミュージックのカッコよさ、美しさ、激しさ、壮大さなど、大編成の管弦楽曲の魅力が全て詰まっている大名曲と言えます。
今日における映画音楽にも多大な影響を与えている作品なので、キャッチーで初心者の方にもとても聴きやすい楽曲だと思いますし、かつ深淵で複雑なアーキテクチャを持ち得ているので、何十年愛聴し続けてもその素晴らしさが尽きることがありません。実際僕も約40年間この曲の虜です。
同じく僕が子供の頃に大好きだったエルガーの『威風堂々』が収録されているという意味でもお得なアルバムです(とは言え、『惑星』の組曲としてのコンセプトを考慮するなら、ここでの『威風堂々』は正直蛇足だと思えてしまいますが・・・)。英国クラシックの超名曲達を同時に堪能できる、ビギナーの方にオススメのアルバムだと思います。 -
霜降り明星
粗品
パッヘルベル:カノン
カノンは球体です。
オーケストラのどのパートに集中して耳を傾けても、そこから聞こえる作品はカノンそのもので、どこから見ても綺麗な花火のようです。
単純明快な旋律は楽譜に書くととても美しく、屈託のない音符の連続は絵画と言っても過言ではないでしょう。
クラシック初心者にとって、初めてのクラシックというのは、「有名な聞いた事のある部分が訪れるまで」我慢だと思っています。
その点カノンは、我慢の時間が短くて済むのと、音の重なりが一回も汚くない事、コード進行が実は馴染み深い事など、初心者の方にオススメ出来る楽曲です。 -
女優
土屋太鳳
『パヴァロッティ・ベスト/誰も寝てはならぬ』ルチアーノ・パヴァロッティ
芸術の中には、これに出会うことで人生が数万倍も数億倍も豊かになると感じるものがありますが、オペラはその一つではないでしょうか。特に、氷よりも冷たく凍るトゥーランドット姫の心を溶かすべく歌われるアリア「誰も寝てはならぬ」は、必聴です。生きるエネルギーを凝縮して輝く星のようにパワフルな歌は、どんな時に聴いても、最高の熱を持って心を抱きしめてくれる魔法。聴くたびに、姫より一足先に恋におちてしまいます。
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女優
中谷美紀
マーラー:交響曲第5番
この曲に初めて触れたのは、月並みですが、ヴィスコンティの映画『ヴェニスに死す』でした。美しき少年への募る想いに苦悶する老いた作曲家が、醜態をさらしつつ無惨にも死にゆくクライマックスにて、物哀しく響く弦とハープによる第4楽章のアダージェットは、マーラーの音楽との幸せな邂逅をもたらしてくれました。
最も好きな9番や10番と併せて、人生の最期の日に聴きたい曲です。 -
漫画家
二ノ宮知子
『ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番』ラン・ラン
第一番は私の作品内(漫画『のだめカンタービレ』)で主人公が最後の大一番で弾いた曲で、その映画化の際にはラン・ランさんが演奏してくれた、特別でとても思い入れのある曲です。
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小説家
平野啓一郎
バルトーク:管弦楽のための協奏曲、弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽
明快にして躍動感溢れる音楽!楽器それぞれの個性が引き立ちながら、緊密な統一感が実現されている。同郷の作曲家と指揮者だが、それだけでは、この相性の良さは語れない。紛れもなく、ショルティの代表作。クラシックは退屈、20世紀以降は難解、という人は、まずはこれを!
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女優
松下奈緒
モーツァルト:ピアノ・コンチェルト第20番
モーツァルト:ピアノ・コンチェルト第20番は初めてオーケストラと競演した曲でした。今でも聞こえてくるとあの頃の、緊張感と指が勝手に動きます。
この曲の好きなところは、短調でスピード感や情熱的なところ。
今まで抱いていたエレガントなモーツァルトのイメージを覆された1曲でもあります。