アーティスト紹介

  • ヘルベルト・フォン・カラヤン

    ヘルベルト・フォン・カラヤン

    1908 - 1989

    20世紀クラシック音楽界の帝王。コンサートとオペラで独自のスタイルを体現し、膨大な録音を遺した。

    オーストリア生まれの指揮者。モーツァルテウム音楽院とウィーン音楽院で学び、ドイツ語圏の歌劇場のオペラ指揮者として活躍し、1948年にはウィーン交響楽団の首席指揮者、翌年にはウィーン楽友協会の音楽監督に就任。1955年にはベルリン・フィルの終身首席指揮者兼芸術監督に就任し、1989年まで34年間この地位にあった。後には自分で会社を設立し、映像事業にも着手している。所謂「ジェットセッター」と呼ばれるスター指揮者のはしりで、車好きで多数のスポーツカーを所有し、スピード狂のエピソードも残されている。

  • レナード・バーンスタイン

    レナード・バーンスタイン

    1918 - 1990

    名指揮者で偉大な作曲家にして教育家。その生涯は映画にもなり、フレンドリーな人柄は世界中のファンから愛された

    ウクライナ系ユダヤ人移民の2世としてマサチューセッツ州に生まれる。理髪店経営者であった父の反対を押し切って音楽の道に進み、1943年副指揮者を務めていたニューヨーク・フィルでブルーノ・ワルターの代役としてデビュー。1958年にニューヨーク・フィルの音楽監督に就任。1969年に辞任してからは、特定のポストにはつかず世界中の有名オーケストラに客演した。作曲家としても多くの傑作を残し。有名な『ウエスト・サイド物語』『キャンディード』のほか、3つの交響曲、合唱曲やミサ曲、バレエ音楽や映画のための音楽を遺している。教育活動にも熱心で青少年のための『ヤング・ピープルズ・コンサート』では企画・指揮・司会を務め、最晩年には札幌で国際教育音楽祭パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル(PMF)を創設した。

  • マウリツィオ・ポリーニ

    マウリツィオ・ポリーニ

    1942 -

    世紀の天才ピアニスト。精緻にカットさせた宝石のようなピアニズムと驚異的なメカニックで世界を驚かせ、現在でもなお現役で精力的に活躍する

    ミラノ出身のピアニスト。18歳で第6回ショパン国際ピアノ・コンクールに優勝し、国際的な名声を勝ち取るがその後8年にわたって国際演奏活動から遠ざかり、その間にミラノ大学で物理学を学んだり、更なる音楽の研磨に励んだ。1968年国際ツアーに復帰。1971年にはドイツ・グラモフォンでレコーディングを開始し、伝説となった『ショパン:練習曲集』をはじめとするヒット作を連発する。現代音楽への取り組みも精力的で1995年にはザルツブルク音楽祭で自身の企画による『ポリーニ・プロジェクト』を始動。東京でも二度開催された。ライフワークであるベートーヴェンの全ピアノ・ソナタ録音は39年の歳月をかけて完成。京都と奈良を愛する親日家でもある。

  • マルタ・アルゲリッチ

    マルタ・アルゲリッチ

    1941 -

    スケールの大きな音楽性とドラマティックな表現力で世界中に熱狂的なファンをもつ実力派ピアニスト

    アルゼンチン出身のピアニスト。8歳で公の場でベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第番 1番 ハ長調』を演奏。1957年にブゾーニ国際ピアノコンクール、ジュネーヴ国際音楽コンクールに優勝。1960年にショパン国際ピアノ・コンクールで優勝した時は既に一女の母だった。私生活では作曲家で指揮者のロバート・チェン、指揮者のシャルル・デュトワ、ピアニストのスティーヴン・コヴァセヴィチと結婚し、それぞれの相手と一女をもうけている。1960年にドイツ・グラモフォンからレコード・デビューして以来、録音多数。1990年代後半からは、自身の名を冠した音楽祭やコンクールを開催し、若手演奏家の育成に力を入れている。1998年にスタートした別府アルゲリッチ音楽祭は有名。

  • クリスティアン・ツィメルマン

    クリスティアン・ツィメルマン

    1956 -

    正統派にしてマニアック。至高のピアニズムを追求し、楽器の調整まで自分で行う。ピアノ界の永遠の貴公子

    ポーランド南部のザブジェに生まれ、5歳で父からピアノを学び7歳でアンジェイ・ヤシンスキに師事。1975年ショパン国際ピアノ・コンクールで史上最年少(18歳)で優勝し、王子様のようなルックスもあいまって世界中から注目を浴びる。精力的なリサイタルのほか、カラヤン、バーンスタイン、ジュリーニ、小澤征爾、ブーレーズ、ラトル等世界の名指揮者と共演を重ねている。1978年の初来日以来、頻繁に日本でリサイタルを行い、公演数は100回を超える。ショパン、ベートーヴェン、ブラームス、ドビュッシー、ラヴェル、ラフマニノフ他レパートリーは広く、同郷ショパンの『4つのバラード集』は永遠の名盤として世界中のクラシック・ファンを虜にしている。

  • 小澤征爾

    小澤征爾

    1935 -

    音楽ファンのみならず指揮者やすべての音楽家から尊敬される世界のオザワ。音楽愛のDNAは若手世代へも受け継がれる

    満州国奉天市生まれ。10歳でピアノとアコーディオンの手ほどきを受ける。1957年頃から群馬交響楽団を指揮。1959年単身渡仏し、同年ブザンソン国際指揮者コンクールで第1位。カラヤン指揮者コンクール第1位。1960年タングルウッド音楽祭でクーセヴィツキー賞を受賞。1961年ニューヨーク・フィル副指揮者に就任。1973年にはボストン交響楽団の音楽監督に就任し、ドイツ・グラモフォンとの契約でラヴェル、ベルリオーズのオーケストラ曲集を録音。ボストン響の音楽監督は2002年まで続き、30年近い信頼関係が築かれた。2002年シーズンにはウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。2007年に辞任。小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト等、後進の指導にも意欲的。

  • アンネ=ゾフィー・ムター

    アンネ=ゾフィー・ムター

    1963 -

    天才少女として巨匠に見出され、円熟期に達してもなお成熟を続けるヴァイオリン界の巨星

    ドイツ・南バーデン地方に生まれ、5歳からピアノを習い始めるがヴァイオリンに転向。13歳でカラヤンに招かれベルリン・フィルと共演。天才少女として世界的な注目を浴びる。翌年にはバレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団と共演し、ザルツブルク音楽祭にもデビュー。17歳でメータ指揮ニューヨーク・フィルと共演し、アメリカ・デビューを飾る。レコーディングも15歳から行い、カラヤン指揮ベルリン・フィルとのモーツァルトの協奏曲を録音。レパートリーは広く、ヴィヴァルディから現代音楽までを採り上げる。コンチェルトや室内楽では弾き振りも精力的に行い、指揮者としての教養も深化させている。

  • 内田光子

    内田光子

    1948 -

    グラミー賞に2度輝く世界的ピアニスト。深い内観と抒情的な表現力で、聴衆を虜にするピアノの求道者

    静岡県熱海市生まれ。外交官であった父と家族とともに12歳で渡欧。1961年からオーストリアのウィーン音楽院でリヒャルト・ハウザーに師事する。1970年ワルシャワのショパン国際ピアノ・コンクールで第2位。1971年ウィグモア・ホールにてロンドン・デビュー。1972年以来、ロンドンに居住。2009年にはDBE(英国帝国勲章第2位)を授与され、エリザベス女王よりデイムの称号を授かる。同年英国グラモフォン賞受賞。2011年と2017年にはグラミー賞にも輝いている。世界的音楽祭の常連で、子供のための演奏会や室内楽、マスタークラスも精力的に行う。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなど前期ロマン派以前の作品の録音が多い。

  • ルチアーノ・パヴァロッティ

    ルチアーノ・パヴァロッティ

    1935 - 2007

    「神に祝福された声」と称えられた20世紀後半を代表するスーパースター・テノール。

    イタリアのモデナで、パン職人でアマチュア・テノール歌手の父のもと生まれる。『ラ・ボエーム』のロドルフォ役でオペラの初舞台を踏み、ウィーン、ロンドン、スカラ座でこの役を歌い、1964年にはオペラ・アリア集をデッカで録音、レコード・デビューを果たす。1965年にはマイアミで『ランメルモールのルチア』をジョーン・サザーランドと共演し、アメリカ・デビュー。1968年にはメトロポリタン・オペラにデビューしている。1972年のMET『連隊の娘』でのトニオの9回の「ハイC(高いドの音)」を成功させた舞台は伝説になった。2004年、METで『トスカ』のカヴァラドッシを歌ってオペラ引退を表明。2007年腎不全により71歳で死去。モデナの大聖堂で葬儀が行われた。

  • ラン・ラン

    ラン・ラン

    1982 -

    ワールドワイドなコンサート活動で高い評価を得て、ユニセフ親善大使にも任命された超人気ピアニスト。

    二胡奏者の父をもち、3歳でピアノを始める。5歳で瀋陽ピアノ・コンクールに優勝して最初のリサイタルを開く。12歳でドイツで開催されたエトリンゲン青少年ピアノ・コンクールで最優秀賞および技能賞を獲得。1997年に渡米し、カーティス音楽院でゲイリー・グラフマンに師事。1999年17歳のとき、ラヴィニア音楽祭でアンドレ・ワッツの代役でチャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』をクリストフ・エッシェンバッハ指揮シカゴ響と共演。大きな評価を得る。2008年北京オリンピック開会式、メタリカやファレル・ウィリアムスらと共演したグラミー賞授賞式など、世界的イべントの舞台でもジャンルを超えて活躍している。

  • アリス=紗良・オット

    アリス=紗良・オット

    1988 -

    豊かな音楽性と華やかな存在感で世界中のファンを虜にする若手ピアニスト。ニュー・ジェネレーションならではのコラボにも意欲的。

    ドイツ・ミュンヘン出身。ドイツ人の父親と日本人の母親をもつ。7歳の頃からヨーロッパの多数のピアノ・コンクールで優勝。15歳からバイロイト音楽祭に招かれ、ワーグナー愛用のピアノを使用してリサイタルを開催した。2008年、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、リスト『超絶技巧練習曲』で鮮烈なデビューを飾る。2010年「クラシック・エコー・アワード2010」にてヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤーを獲得。ショパン、チャイコフスキー、ベートーヴェン、ムソルグスキー、シューベルトの録音のほか、ピアニストのフランチェスコ・トリスターノやオーラヴル・アルナルズらとのコラボレーションも好評を得ている。若手世代で最も多忙なピアニストの一人。

  • 村治佳織

    村治佳織

    1978 -

    クラシック・ギターの魅力と可能性を追求し、フレッシュな感性で進化し続けるアーティスト。フレンドリーなパーソナリティも人気。

    3歳で父・村治昇のもとギターのレッスンを開始。幼少の頃から数多くのコンクールで優勝し、15歳で津田ホールにてデビュー・リサイタルを行う。16歳で日本フィルハーモニー交響楽団と協奏曲デビューを果たす。1996年、イタリア国立放送交響楽団の定期公演に招待され、トリノでヨーロッパ・デビュー。1997年フランス・パリのエコール・ノルマル音楽院に留学。1999年には亡くなる半年前のホアキン・ロドリーゴと対面し、作曲家の前で演奏する機会を得る。1993年にCDデビュー。2003年に英国の名門クラシックレーベルDECCAと日本人としては初の長期専属契約を結ぶ。これまでにDECCAよりCD11枚、DVD2枚をリリース。メディアへの登場も多く、幅広いファンを魅了している。

  • 牛田智大

    牛田智大

    1999 -

    愛らしい少年ピアニストから脱皮し、大きく成長中。ロシアものを中心に充実したレパートリーを聴かせる

    福島県に生まれる。1歳の頃から電子ピアノをおもちゃ代わりに弾き、3歳でラン・ランとユンディ・リの演奏を収録したDVDを鑑賞し、ピアニストを目指す。2012年3月、日本人クラシック・ピアニストとして最年少の12歳でユニバーサル ミュージックよりデビュー・アルバム「愛の夢」を発表。同年7月、東京オペラシティにおいてデビューリサイタルを行う。2013年9月からはショパンとリストの作品を中心にリサイタルを行う。2015年にミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団と共演。2018年11月、第10回浜松ピアノ・コンクール第2位、聴衆賞。ユニバーサル ミュージックからは今までに7枚のCDを発表。

  • 松田華音

    松田華音

    1996 -

    鮮烈な才能で世界を席巻。モスクワ仕込みの本格派ピアニズムで華麗なる世界観を表現する美しきアーティスト

    香川県生まれ。4歳で細田俶子氏に師事。2002年、6歳でモスクワに渡りモスクワ市立グネーシン記念中等(高等)専門学校ピアノ科に第一位で入学。2004年エドヴァルド・グリーグ国際ピアノ・コンクール(モスクワ)グランプリ受賞。2009年AADGT国際MusicianCompetition(ニューヨーク)第一位受賞。2010年才能ある青少年の国際コンクール&フェスティバル「クラシカ2010」グランプリ受賞。その他受賞歴多数。2013年グネーシン音楽院を首席で卒業し、モスクワ音楽院に日本人初となるロシア政府特別奨学生として入学し、2019年6月首席で卒業。2014年11月にはドイツ・グラモフォンよりCDデビュー。2017年に最新アルバム『展覧会の絵』をリリースした。

  • 五嶋龍

    五嶋龍

    1988 -

    世界が認める若きレジェンド。目も眩む超絶技巧と多彩なレパートリーで広い層のファンをもつスーパー・ヴァィオリニスト

    3歳よりヴァイオリンを始める。母である五嶋節と建部洋子、ビクター・ダンチェンコ、チョーリャン・リンに師事。1995年夏、7歳の時に札幌市にてパシフィック・ミュージック・フェスティバルのオーケストラとパガニーニの『ヴァイオリン協奏曲第1番』で共演しデビュー。ニューヨーク市にあるトリニティ高校を経て2015年12月ハーバード大学に合格。2011年に同大学物理学科卒業。2003年9月11日、ニューヨーク市のグラウンド・ゼロにおいてメモリアル式典で演奏。同年ドイツ・グラモフォンと専属契約。2006年に初のジャパン・ツアー「五嶋龍ヴァイオリン・リサイタル2006」を開催。グラモフォンからは7タイトルのCDをリリースしている。

  • 金子三勇士

    金子三勇士

    1989 -

    日本とハンガリーの血をひく国際派ピアニスト。世界中のあらゆる街で演奏活動を行う音楽の大使

    6歳からハンガリーのピアノ教育第一人者チェ・ナジュ・タマーシュネーに師事。単身ハンガリーに留学し、祖父母の家よりバルトーク音楽院に通う。1997と2000年に全国連弾コンクールで優勝。2001年に全国ピアノコンクール9~11歳の部で優勝。同年、飛び級で国立リスト音楽院大学(特別才能育成コース)に入学。2006年全過程取得とともに日本に帰国。東京音楽大学付属高等学校2年に編入。2010年にデビューアルバム「プレイズ・リスト」を発表し、レコード芸術誌の特選盤に選出される。2016年3月にはユニバーサル ミュージックから「ラ・カンパネラ」をリリース、2019年5月には「リスト・リサイタル」をリリースした。東京音楽大学ピアノ演奏家コースを首席で卒業。日本、ハンガリー、アメリカ、フランス、ギリシャ、ルーマニア、チェコ、ポーランド、ロシア、カザフスタン、中国等で演奏活動を行う。

  • 庄司紗矢香

    庄司紗矢香

    1983 -

    パガニーニ・コンクール最年少の覇者。世界中のマエストロから尊敬される天才ヴァイオリニスト

    東京生まれ。画家である母の留学に伴い3歳からシエーナに移り、5歳からヴァイオリンを学び始める。14歳でリピンスキ・ヴィニエニャフスキ国際コンクール・ジュニア(17歳未満)部門で日本人初の優勝。1998年以降、ケルン音楽大学でザハール・ブロンに師事する。同年ルツェルン祝祭管弦楽団とヨーロッパ演奏旅行を行い、ウィーン・デビューを果たした。1999年、第46回パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで史上最年少(16歳)日本人初の優勝を果たした。2000年、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、数多くのソロ演奏と一流オケとのコンチェルトを録音。ヨーロッパを中心に日本、アメリカ、南米、ロシア、イスラエルで定期的に活動している。

Text:Hisae Odashima