クラシックの作曲家たち

Wilhelm Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナー

1813 - 1883

女も男も惹きつける究極のカリスマ性で、人々を巻き込みながら、人生を驀進! ケタ外れの才能とブルドーザーのごとき行動力で、音楽史を塗り替えた男。

 ドイツ・ライプツィヒ生まれ。なかなか芽が出なかったが、30歳の頃から頭角を現し、以降は「タンホイザー」「ニーベルングの指環」など、数々のオペラの傑作を作曲した。若い頃から、知人に借金しては踏み倒したり、革命運動に参加した罪で国外追放になったり、恩人の妻や娘に手を出したり、バイエルン国王ルートヴィヒ2世をパトロンに得て国を傾かせるほどの金を使わせたりと、スキャンダルにはこと欠かない。が、人並外れた才能と、なりふり構わぬ行動力で、最終的にはドイツのバイロイトに自分の理想の歌劇場まで作ってしまったそのパワーたるや、誰もが恐れ入る。国外追放の間に作った「トリスタンとイゾルデ」では、独特の和音を用いた革新的な作曲技法を生み出し、音楽史に多大な影響を与えた。

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Text:Akie Uehara
Illustration:Joe Ichimura