クラシックの作曲家たち

Peter Ilyich Tchaikovsky

ピョートル・チャイコフスキー

1840 - 1893

大富豪の未亡人から巨額の支援を受けるという幸運に恵まれて、作曲活動に専念。 私生活はうまくいかなかったけれど、ロシア人作曲家として西欧で初めて認められた人。

 ショパンやリスト、メンデルスゾーンらが活躍していた1840年、ロシア・ウラル地方で誕生。親の希望で法律を学び、一度は法務省に就職したが、音楽の夢を捨てきれずに22歳でペテルブルク音楽院に入学し直したという、現代の作曲家にもありそうな経歴を持つ。モスクワ音楽院の講師を経て、以降は作曲活動に専念したが、それができたのはメック夫人という大富豪の未亡人が、約14年に渡って多額の金銭的支援をしたからといわれている。西欧の音楽にロシア民族舞踊のテイストを融合させ、今も人気の高いバレエ音楽、交響曲などを多数作曲し、初めて西欧で高く評価されたロシア人作曲家となった人。性格的には内気で繊細な人だったようで、恋愛と結婚は、残念ながら、生涯、うまくいかなかった。

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Text:Akie Uehara
Illustration:Joe Ichimura