クラシックの作曲家たち

Gustav Mahler

グスタフ・マーラー

1860 - 1911

指揮者として世界の頂点に上り詰めながらも、失意の中で人生を終えた? 「やがて私の時代が来る」の名セリフでも知られる、生前報われなかった、孤独な作曲家。

 19世紀末、ウィーンで活躍したマーラーは、1860年、現チェコのカリシュチェに生まれた。今では、壮大な交響曲を10作以上作った大作曲家として知られているけれど、生前の彼は、あまり幸せとはいえなかった。というのも、生前、彼の作品はあまり評価されていなかったから。しかも、本人は本当は作曲に専念したかったのだけれど、指揮者で成功していたため、生涯、指揮者として、馬車馬のごとく働き続けるしかなかった。私生活でも、41歳のとき、22歳の絶世の美女アルマと結婚したが、才色兼備のアルマが単なる作曲家の妻に収まるはずもなく、4歳の長女を病気で失うなどの不幸もあって、結婚生活は破綻。結局、マーラーは、50歳で亡くなる頃、「紙切れのような人生だった」と言ったと伝えられている。

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Text:Akie Uehara
Illustration:Joe Ichimura