クラシックの作曲家たち

Franz Peter Schubert

フランツ・シューベルト

1797 - 1828

明るく温和な人柄で人々から愛され&支援され、作曲活動を続けたフリーランサー。 生前に確かな名声を得られず、あまり儲からないまま短い人生を終えた、夭折の人。

 ベートーヴェンがウィーンでデビューした2年後の1797年、ウィーン郊外に生まれ、一生をほぼウィーンで過ごした生粋のウィーン人。師範学校を卒業してから3年ほど教師として働いていたが、友人たちに勧められて、作曲に専念。31歳で病死するまでの短い間に、「野ばら」など、美しい歌曲をはじめ、交響曲や室内楽など幅広いジャンルの作品をたくさん書き残した。生前は出版社や劇場にあまり相手にされず、特定の宮廷や貴族のお抱えでもなかったことから、収入は常に不安定だったという。とはいえ、多くの友人や音楽仲間たち後援者に支えられて、ある意味、豊かな音楽家人生を送った。これも、明るくて人に好かれる、彼の性格の成せる技か。アクの強いキャラクターが多い音楽史の中では、稀有な存在。

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Text:Akie Uehara
Illustration:Joe Ichimura