クラシックの作曲家たち

Éric Alfred Leslie Satie

エリック・サティ

1866 - 1925

「〝偉大な作曲家〟になりたい」とは、たぶん、本人はまったく思っていなかった! 奇妙なタイトルや行動、エピソードには事欠かない、フランス音楽界の超異端児。

 「ジムノペディ」をはじめ、洒落たピアノ作品で人気が高いサティ。その作風からかなり新しい作曲家と勘違いされることもあるけれど、実は、ドビュッシーとだいたい同じ時代を生きたフランス人だ。せっかく入学したパリ音楽院を「退屈だ」と言ってやめてしまい、あらゆる音楽的権威とは無縁の世界に生き、バーのピアノ弾きを主な生業としていた。「干からびた胎児」とか「犬のためのぶよぶよとした前奏曲」といった作品のタイトルからもわかる通り、相当な変わり者だったようで、晩年は、いつも黒い山高帽、黒い上着、黒い雨傘というお決まりのいで立ちで過ごし、独身のまま59歳で亡くなっている。彼自身が「家具の音楽」と呼んだ作品スタイルは、環境音楽の先駆けであり、現代音楽に与えた影響は計り知れない。

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Text:Akie Uehara
Illustration:Joe Ichimura